「昔ながら」という言葉が流行っているようですが
最近、「昔ながらの」というフレーズが流行しているみたい。
というのも、よくこの言葉を目にするからです。
例えば食品。
スーパーに行けばありとあらゆる食べ物が売っているけれど、「昔ながらの」と冠した商品は結構多い。「昔ながらの漬物」とか書いてある商品にごっそり添加物入ってたりすると、「何が昔ながらなんですか?」と売り場でツッコミたくもなりますが、裏面表示を見ないで買っちゃう人も多いんでしょうね。
例えば、最近いろんなところでやっているマルシェ。
「昔ながらの食」とか、「昔ながらのものづくり」とか、「昔ながらの暮らし」とか、「昔ながらの生き方」とか「昔ながらの空間」とか、そんなキャッチコピーのマルシェによく遭遇します。
それで、どんな人が出店してるのかなと詳細を見てみると、焼き菓子、ジャム、アロマ、石鹸、アクセサリー・・。おお、王道女子が好きなものね。ジャムも焼き菓子も石鹸も大好き。でも、これらのものを「昔ながらの」とくくられると違和感を感じるのは私だけでしょうか?
以前、お客様とお店でこんな話になりました。
お客様「最近、なんでもかんでも昔ながらって言って売ってるけど、あれはひとつの流行のファッションみたいなものだね。」
私「昔ながら、というのはいい宣伝文句なんでしょうね。」
100年前と変わらぬ製法で醸される伝統製法のお醤油や、100年前の人も使ってたおひつやすし桶を扱っている身としては、「昔ながらの」品物にスポットライトが当たるのは嬉しいことなんですが、少し複雑でもあります。
流行には必ずのっかる人がいて、ただのっかるだけならいいんだけど、悪意のあるのっかり方をする人も少なからずいるからです。
「昔ながらの」という言葉がトレンドなのはきっと素晴らしいことなんだと思う。伝統的な製法の食品や道具などの価値が再認識されるきっかけになればこんな嬉しいことはありません。けれども、この言葉が心無い人に悪用されないように、ちゃんとした情報を発信することが私の仕事なんだと思ったのでした。
店長キョウコ