食品に掘り出し物がない理由
いつもきしな屋ブログをお読みいただきありがとうございます。
店長キョウコです。
4月も半ば。春真っ盛りです。
みなさんはどんな春をお過ごしですか?
私はおととしの年末に下の娘を出産してから、どうもすっきりしなかった体の調子がようやく整ってきたな、という感じ。
出産後も元気は元気やったんですが、どうも気力が出ないというか・・前みたいに動けない・・・というか。
出産してから体がもとに戻るのには1年半くらいかかる、と入院中に聞きましたが、まさに今そんな感じです。
やっと調子が戻ってきたで~~!という、今年の春。
ところで、今日は商品の値段についてです。
自分で言うのもなんですが、よく「たっかいな~」(高いな)と言われる店です。
※関西人の方ならこの「たっかいな~」のイントネーションわかってもらえるはず。
「た」のところが一番強い音です(笑)
「この醤油、たっかいな~」
「このマヨネーズ、たっかいな~」
「このお茶、たっか~」
きしな屋は、そんなことをよく言われる店です。
いつもなら、「そうですよね~。高いです。でもね、このお醤油、めっちゃおいしいんですよ。作るのに2年かかっててね・・・」と商品の説明を始めるのですが、今日はちょっと違いました。
ちゃんと言うと、今日はちょっと私の虫の居所が悪かった・・爆
津堅島にんじんを手に取って「この人参1本120円てえらい高ないですか?」と言われて、正直カチンときて
「品質が全然違います。」と真顔で答えてしまった・・・。
お客様、キョトンとした顔してはったけど、これが私の素直な意見なんですよね。
3本で100円の人参と、1本120円の人参は、当然品質が全然違うのです。
1Lで200円の醤油と、500mlで1000円の醤油は、全然品質が違うのです。
衣服や雑貨などに比べて、仕入れの食品は販売するうえでの原価率がとても高い商材です。
※催事商品など、一部に例外もあります。
言い換えると、お店の利幅が少ないということ。
なので、価格が高いということは原価も高くて、原価が高いということは、ちゃんと相応の原材料を使っていたり、手間と時間をかけて作っていたりするので、品質に差が出るのは当然といえば当然なのです。
食品に関していえば、原価率の関係上、雑貨みたいな掘り出し物はめったになくて、だいたいは価格相応の品質になってます。
良いも悪いも、安いものはそれなりの品質、高いものは相応の品質ということです。
食品の業界にいると、これはものすごく当たり前のことなんだけど、
お客様の反応を見ていると、案外知らないことなのかな、とも思ったり。
お洋服なんかはとんでもない値引き率のバーゲンを季節ごとにやったりしているから、
食品も同じように、良いものをすごく安くで買えると思っている人も多いのかもしれませんね。
食品に関してはそんなことないですからね。
きしな屋に関していえば、価格設定はものすごくシビアにやっています。
それは、お店があるのが大阪という場所だからかもしれません。
関西の人、特に大阪の人は値ごろ感にめちゃくちゃシビアです(笑)
そんな大阪で育ててもらっているので、新商品の値段を決めるときは小一時間商品とにらめっこします。
商品の見た目と、品質とにちゃんと釣り合いがとれて、きしな屋も利益が出て、大阪の人のシビアな感覚にしっくりくる価格・・
なかなか難しいんですが、いつもギリギリのところで折り合いをつけています。
中には、「おいしいんだけど、ちょっと高すぎるわ・・」という理由で導入を見送ったいくつもあります。
結局何が言いたかったかというと、
①食品の商品の価格にはちゃんと理由があるということ。
価格が高い商品は、原料や製法にこだわっているから、ほとんどの場合品質も高い。
②食品に掘り出し物はない。
わかったうえで何を選ぶのかは自由ですが、
テレビコマーシャルを鵜呑みにして商品を選んでいる人がいたとすればそれは悲しいですね。
そして、うちのように価格の高い商品を扱っている小売店は、
なんで高いのか、他の商品と何が違うのか、商品が出来上がるまでにどんな背景があるのか、といことをちゃんと発信していかないといけないですね。なんで高いのか、という背景をわかってもらわないと。
あ、そうそう。
冒頭の私がカチンときて真顔でお答えしてしまったお客様は、それからいろいろお話しして
津堅島にんじんをお買い上げいただきました!
ありがとうございます!とってもおいしい人参、ぜひ楽しんでお召し上がりください!
店長キョウコ