「本物」に感じる違和感
いつもきしな屋ブログを読んでくださってありがとうございます!
ずいぶんお久しぶりです。店長のキョウコです。
今年のお正月はたっぷりとお休みをいただきました。
昨年は次女を出産したばかりで3が日を病院で過ごしたので、家で過ごすのは2年ぶり。
(気持ち程度に)大掃除をしたり、(本当にささやかに)おせちの準備をしたりと年末とお正月らしさを満喫しました。
私は年末は紅白が見たいのだけど、ガキつか勢に押しきられて今年も断念(笑)
結局年越しを待つことなく、いつも通りの時間に次女と就寝しましたとさ。
長く休むと仕事モードにエンジンがかかるのが遅い!
正月ボケを引きずりながら諸々をこなしております・・
みなさまはどんなお正月でしたか?
ところで、おいしいもの好きな私、FBやインスタでおいしそうな料理やおもしろい食品を見るのが大好きです。
いろんな人やお店の投稿をサラサラと見ていると、最近よく目にするのが「本物」という言葉です。
「やっぱり本物の豆腐はおいしい・・」とか
「本物の生ハムは旨味が違います!」とか
気にして見ているからよく目につくのか、とも思ってましたが、そうでもないみたい。
食べ物に気を使っている人が増えてきている証拠かもしれませんね。
私はこの言葉を食品に使うのはちょっと違和感を感じるので、自分は使わないようにしています。
なんでかと言うと、一方を「本物」とすれば、他方は「偽物」になるからです。
言葉遊びやん!と思うかもしれませんが、私はそんな風に思います。
「本物」はおいしくて、「偽物」はまずい?
「本物」が良くて、「偽物」は悪い?
もっと言うと「本物」は体によくて、「偽物」は体に悪い?
なんだか食べ物ってそんな単純に割り切れる話ではないと思うのです。
例えば、お醤油のはなし。
丸大豆と小麦と塩、木桶で時間をかけて仕込むお醤油
有機栽培の丸大豆と小麦、塩を使ってタンクで仕込むお醤油
脱脂加工大豆、小麦、塩を使ってタンクで仕込んだお醤油
生揚げ醤油にアミノ酸液や甘味料を混ぜてるお醤油
一体どれが本物でどれが偽物なんだろうか?
誤解のないようにめいっぱい強調してお伝えしますが、
上の4種類のお醤油のなかで私が一番好きなのは木桶仕込みのお醤油です。
だって、何よりおいしい。
それに、麹菌だけじゃなくて、蔵や木桶にすみついているたくさんの微生物が木桶の中で混然一体となって発酵が進んでいくという・・なんか科学ではまだ完全に解明されていないところにワクワクします!
同じ原料と仕込みの期間をかけても仕込む桶によって出来上がりが違ったり、蔵元によって味が違ったりするところもおもしろい!
きしな屋に並んでいるお醤油はどれも木桶で仕込まれたものなので、
商売としては「木桶仕込みのお醤油が本物ですよ!」って言って売ったほうがいいのかもしれません。
でも、タンクで仕込まれて安くで売ってるお醤油が体に毒なわけでもないし、
それを作った人がどれだけ技術的に努力してきたかも知ってるから、
タンク仕込みが偽物だなんてちょっとも思ってないのです。
何かを本物と言えば、偽物ができてしまうし、
偽物はこんな風に悪いよ~、と不安をあおって買わせるやり方は嫌いです。
なので、きしな屋は、あくまで私たちが良いと思ったもの、自信を持っておすすめできるものを扱っている「こだわり食品」のお店です。その結果、今のところ食品添加物を使ったものはほとんどない品揃えにはなっております。
もしかしたら、ここまで読んでくださった方のなかには
「なにを訳のわからないこと言ってるんだ?」と思った人もいるかもしれません。
でも、絶対に正しいとか、安全ということはなくって、
これだけ食べればOK,というものもなくって、その都度自分で考えて勉強していかなきゃな、というのが私の食べ物に対する率直な感想です。
そんな感じで(?)今年も、全国各地のいろんな食べ物について楽しくお話しできればな、と思っております。
みなさま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
店長キョウコ